第5回委員会: 2008年9月アーカイブ

政治資金監査に関する具体的な指針
(政治資金監査マニュアル)

~中間とりまとめ案~

平成20年 8月 8日
政治資金適正化委員会
資料1

 

指針目次
 
Ⅰ.政治資金監査の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 1.政治資金規正法の目的・基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 2.今般の政治資金規正法改正の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 3.政治資金監査の基本的性格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 4.政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)の位置付け・・・・4
 
Ⅱ.登録政治資金監査人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
1.登録政治資金監査人の資格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(1)資格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
(2)業務制限・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
2.登録政治資金監査人の職務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
3.登録政治資金監査人の責任・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
 
Ⅲ.国会議員関係政治団体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
 1.国会議員関係政治団体の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
 2.国会議員関係政治団体の会計責任者等の責務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
 
Ⅳ.政治資金監査指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
1.一般監査指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(1)一般的な留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(2)調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(3)政治資金監査契約の締結・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(4)政治資金監査の事前準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
2.個別監査指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(1)法第19条の13第2項第1号に掲げる事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(2)法第19条の13第2項第2号に掲げる事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(3)法第19条の13第2項第3号に掲げる事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(4)法第19条の13第2項第4号に掲げる事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
(5)会計責任者等に対するヒアリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
 
Ⅴ.政治資金監査報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
1.政治資金監査報告書の記載事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
2.政治資金監査報告書作成に当たっての留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

 

1.政治資金規正法の目的・基本理念
 
○ 政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、それにより民主政治の健全な発達に寄与することを目的とするものである。
 
○ 政治資金の収支の状況を明らかにすることがこの法律の本来の目的であり、これに対する判断は国民にゆだね、政治献金についての国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用すべきこととされている。
 
2.今般の政治資金規正法改正の経緯
 
○ 一方、事務所費や光熱水費等の政治団体の支出について、様々な報道・批判が行われ、政治資金の使い途に対する国民の政治不信が高まったところである。
 
○ このような政治資金の使い途に対する国民の政治不信を払拭するため、平成19年12月、政治資金規正法の改正案が議員立法として提案され、改正法が成立した。
 
○ この改正法の考え方は、国会議員が関係する政治団体の範囲を法律上明確にし、これに該当する政治団体に対して、収支報告の適正の確保と透明性の向上のために一定の義務を課すものである。
 
○ 具体的には、国会議員関係政治団体については、収支報告書を提出するときは、あらかじめ、収支報告書、会計帳簿、領収書等について、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(政治資金適正化委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士及び税理士)による政治資金監査を受けること等が義務付けられた。
 
 
 
3.政治資金監査の基本的性格
 
 ○ 新たに創設された政治資金監査制度は、国会議員関係政治団体の収支報告の適正の確保を図ることを目的として、以下に掲げる基本的性格を有するものであり、制度の運用や政治資金監査の実施に当たっては、この基本的性格を十分に踏まえることが必要である。
 
○ 政治資金監査は、外部性を有する第三者による監査である。
・ 政治団体の収支報告書については、総務大臣及び都道府県の選挙管理委員会において審査が行われているが、これは収支報告書の形式や収支報告書に記載すべき事項の記載が十分であるかどうかについて、行政庁の職員が形式的に審査するものである。政治資金監査は、収支報告書のみならず、国会議員関係政治団体の内部資料である会計帳簿や領収書等の現物を含め、外部性を有する第三者が国会議員関係政治団体のすべての支出をチェックする制度である。これにより、当該国会議員関係政治団体のすべての支出について、支出の相手先、目的、金額、年月日等が外部的な目で確認されることになり、内部のみで処理されることによって生じうる誤りを防ぐとともに、これまで以上に収支報告の適正の確保と透明性の向上を図ることができるものと期待される。したがって、政治資金監査においては、外部性の確保が重要であり、国会議員関係政治団体と一定の関係を有する登録政治資金監査人は当該国会議員関係政治団体に対する政治資金監査業務が制限されることになる。
 
○ 政治資金監査は、職業的専門家による監査である。
・ 政治資金監査を行うのは、政治資金適正化委員会に登録政治資金監査人として登録を受けた弁護士、公認会計士及び税理士である。それぞれ法律、監査及び会計、税務に関する国家資格を有する専門家として、高い能力と識見を有するとともに、公共的使命を担うものとされている。加えて、登録政治資金監査人は、政治資金監査の実施に当たっては、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を修了することが要件とされている。政治資金監査は、このような職業的専門家が、その知識と経験を生かして公正かつ誠実に監査を行うものであり、政治資金の適正化に資する質の高い監査とすることが期待される。
 
  ・ なお、この政治資金監査は、公認会計士の行う監査証明業務に該当しないものである。したがって、政治資金監査報告書は、政治団体の収支報告書や会計帳簿等の適正性・適法性について、意見表明を求めるものではない。
 
○ 政治資金監査は、会計事務に対する外形的・定型的な監査である。
  ・ 政治資金監査は、政治資金規正法及び政治資金監査に関する具体的な指針(以下「政治資金監査マニュアル」という。)に従って、政治団体が管理すべき会計帳簿等の書類が保存されているかどうか、それらの書面の記載が整合的かどうかを外形的・定型的に確認する業務である。また、政治資金監査を行うに当たっては、いうまでもなく政治団体の政治活動の自由を尊重することが求められるものであり、政治資金の使途の妥当性を評価するものではない。
・ 登録政治資金監査人は、第三者に対する調査や資料要求を行う権限を付与されていないことから、もっぱら会計責任者の責任において作成、提出された資料及び会計責任者の説明に基づき、支出の状況を確認することが期待される。この場合、政治資金監査の適正さを確保するため、政治資金監査は当該国会議員関係政治団体の事務所において行い、領収書等の関係書類は現物を確認しなければならない。
 
○ 政治資金監査は、当事者間の相互信頼に基づく監査である。
  ・ 政治資金監査は、登録政治資金監査人と国会議員関係政治団体との双方の当事者間の契約に基づいて行われる業務であり、本指針に基づく政治資金監査を効率的かつ効果的に行うためには、一連の政治資金監査手続において会計責任者の協力が不可欠であり、また円滑な政治資金監査の実施は当該国会議員関係政治団体にとっても有益である。
 ・ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、登録政治資金監査人の政治資金監査を受けなければならず、他方、登録政治資金監査人は、政治資金監査を行ったときは、政治資金監査報告書を作成しなければならない。各当事者は、それぞれの義務を果たすべく、相互信頼に基づいて、政治資金監査業務を円滑に行うことが期待される。
 
 
 
4.政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)の位置付け
 
○ 政治資金監査マニュアルは、登録政治資金監査人が政治資金監査を行うに当たっての具体的な指針を示すとともに、登録政治資金監査人の行う政治資金監査の質の確保と政治資金監査業務の一般化・標準化を図るものであり、登録政治資金監査人は、この政治資金監査マニュアルに準拠して政治資金監査を行うことが求められる。
 

1.
登録政治資金監査人の資格

 

 
(1)資格
 
 ○ 弁護士、公認会計士及び税理士は、登録政治資金監査人名簿に、氏名、生年月日、住所等の事項の登録を受けて、登録政治資金監査人となることができる(法第19条の18第1項)。ただし、以下のいずれかに該当する者(以下「欠格要件該当者」という。)は、登録政治資金監査人となることができない(法第19条の18第2項)。
・ 法第26条の6(政治資金監査報告書への虚偽記載)又は法第26条の7(秘密保持義務違反)の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなった日から3年を経過しない者(法第19条の18第2項第1号)
・ 法第19条の22第1項の規定により登録政治資金監査人の登録を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者(法第19条の18第2項第2号)
・ 懲戒処分により、弁護士、公認会計士又は税理士の業務を停止された者で、現にその処分を受けているもの(法第19条の18第2項第3号)
 
 ○ 登録政治資金監査人の登録を受けようとする者は、登録申請書を、弁護士、公認会計士又は税理士のいずれかに該当する者であることを証する書面を添えて、政治資金適正化委員会に提出しなければならない(法第19条の20第1項)。なお、登録の際には、登録免許税(15,000円)を納めなければならない。
 
 ○ 登録政治資金監査人は、弁護士、公認会計士若しくは税理士のいずれかに該当する者であること又は欠格要件該当者に該当しないことについて、記載すべき事項を記載せず又は虚偽の記載をして登録申請書を提出し、その申請に基づき当該登録を受けた者であることが判明したときは、登録を取り消される(法第19条の22第1項)。
 
 
○ 登録政治資金監査人は、以下のいずれかに該当するとき又は登録政治資金監査人から登録の抹消の申請があったときは、登録を抹消される(法第19条の23第1項)。
・ 弁護士、公認会計士又は税理士のいずれにも該当しなくなったとき(法第19条の23第1項第1号)
・ 法第26条の6(政治資金監査報告書への虚偽記載)又は法第26条の7(秘密保持義務違反)の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなった日から3年を経過しない者に該当するに至ったとき(法第19条の23第1項第2号)
・ 懲戒処分により、弁護士、公認会計士又は税理士の業務を停止された者で、現にその処分を受けているものに該当するに至ったとき(法第19条の23第1項第2号)
・ 法第19条の22第1項の規定により登録政治資金監査人の登録を取り消されたとき(法第19条の23第1項第3号)
 
 ○ 登録政治資金監査人は、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を修了しなければ政治資金監査を行うことができない(法第19条の13第1項・第19条の27第1項)。なお、研修を受けるときは、手数料を払う必要がある(法第19条の27第3項)。
 
(2)業務制限
 
 ○ 登録政治資金監査人が、以下のいずれかに該当する場合には、当該登録政治資金監査人は、当該国会議員関係政治団体の政治資金監査を行うことはできない(法第19条の13第5項・規則第○条)
・ 登録政治資金監査人が、国会議員関係政治団体の代表者、会計責任者又は会計責任者に事故があり若しくは会計責任者が欠けた場合にその職務を行うべき者である場合(法第19条の13第5項)
 
  (このほかの業務制限については、省令改正の内容を踏まえて記載)
 
 
2.登録政治資金監査人の職務
 
 ○ 登録政治資金監査人は、政治資金監査マニュアルに基づき、以下に掲げる事項について政治資金監査を行う(法第19条の13第2項)。
  ・ 会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かった支出の明細書等及び振込明細書が保存されていること。
  ・ 会計帳簿には国会議員関係政治団体に係るその年における支出の状況が記載されており、かつ、当該国会議員関係政治団体の会計責任者が当該会計帳簿を備えていること。
  ・ 収支報告書は、会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かった支出の明細書等及び振込明細書に基づいて支出の状況が表示されていること。
  ・ 領収書等を徴し難かった支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること。
 
○ 登録政治資金監査人は、政治資金監査を行ったときは、政治資金監査報告書を作成しなければならない(法第19条の13第3項)。
 
○ 登録政治資金監査人の職務は、国会議員関係政治団体の会計責任者が作成した収支報告書並びに当該収支報告書に係る会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かった支出の明細書等及び振込明細書(以下「会計帳簿等の関係書類」という。)について、政治資金規正法及び政治資金監査マニュアルに基づき政治資金監査を行い、政治資金監査報告書を作成することにある。したがって、会計帳簿等の関係書類の作成責任及び政治資金監査報告書を収支報告書に併せて提出する義務を登録政治資金監査人が負うものではない。
 
3.登録政治資金監査人の責任
 
 ○ 登録政治資金監査人の責任については、政治資金規正法において以下のとおり規定されている。
・ 登録政治資金監査人又は登録政治資金監査人であった者は、正当な理由がなく、政治資金監査の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない(法第19条の28第1項)。また、登録政治資金監査人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、政治資金監査の業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らしてはならない(法第19条の28第2項)。
・ 法第19条の28の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる(法第26条の7)。
・ 政治資金監査報告書に虚偽の記載をした者は、30万円以下の罰金に処せられる(法第26条の6)。
 
○ なお、各士業法においても、以下のとおり責任の定めがある。
・ 登録政治資金監査人が政治資金監査を行うに当たって弁護士、公認会計士又は税理士としての信用を傷つけ、品位を害するような行為をした場合には、弁護士法、公認会計士法又は税理士法上の信用失墜行為として懲戒処分の対象となり得る(弁護士法第56条第1項・公認会計士法第26条・税理士法第37条)。
 

1.国会議員関係政治団体の定義
 
 ○ 国会議員関係政治団体とは、以下に掲げる政治団体(政党・政治資金団体及びいわゆる政策研究団体を除く。)をいう。
 ・ 国会議員・候補者(候補者となろうとする者を含む。以下同じ。)が代表者である資金管理団体その他の政治団体(1号団体)(法第19条の7第1項第1号)
・ 特定の国会議員・候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体(2号団体)(法第19条の7第1項第2号)
・ 政党支部であって、国会議員に係る選挙区の区域を単位として設けられるもののうち、国会議員・候補者が代表者であるもの(みなし1号団体)(法第19条の7第2項)
 
2.国会議員関係政治団体の会計責任者等の責務
 
 ○ 国会議員関係政治団体の会計責任者には、主に、以下に掲げる責務が課せられている。
・ 会計帳簿を備え、これに当該国会議員関係政治団体に係るすべての収入、支出及び金銭等の運用について、所定の事項を記載すること(法第9条第1項)。
・ すべての支出について、当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならないこと(法第11条第1項・第19条の9)。
・ 毎年12月31日現在で、当該国会議員関係政治団体に係るその年における収入、支出等を記載した収支報告書を、都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出すること(法第12条第1項・第19条の10)。
・ 会計帳簿、明細書、領収書等、振込明細書及び領収書等を徴し難かった支出の明細書等を、これらに係る収支報告書の要旨が公表された日から3年を経過する日まで保存しなければならないこと(法第16条第1項・第19条の11第2項)。
・ 国会議員関係政治団体が行った支出のうち領収書等を徴し難い事情があったものについては、政治資金監査を受けるまでの間に、領収書等を徴し難かった支出の明細書等を作成しなければならないこと(法第19条の11第1項)。
 
 ○ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、政治団体の会計責任者として収支報告書を提出するときは、あらかじめ、当該収支報告書並びに当該収支報告書に係る会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かった支出の明細書等及び振込明細書について、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を修了した登録政治資金監査人の政治資金監査を受けなければならない(法第19条の13第1項)。
 
 ○ なお、12月31日又は解散等により政治団体でなくなった日において、国会議員関係政治団体に該当しない政治団体であっても、年の途中において国会議員関係政治団体に該当する期間がある場合には、政治資金監査を受けなければならない。この場合、国会議員関係政治団体であった期間についてのみならず、その年の全期間の会計帳簿等の関係書類について政治資金監査を受けなければならないことに留意すること。このほか、年の途中に国会議員関係政治団体に該当しない期間のある政治団体の政治資金監査については「政治資金監査実施要領」の「年の途中で国会議員関係政治団体に異動があった場合等の留意事項」を参考にすること。
 
 ○ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、登録政治資金監査人が作成した政治資金監査報告書を当該収支報告書に併せて提出しなければならない(法第19条の14)。なお、法第19条の14の規定に違反して、政治資金監査報告書の提出をしなかった者は、5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処せられるが、政治資金監査報告書を収支報告書に併せて提出する義務を負っているのは会計責任者であり、登録政治資金監査人ではないこと(法第25条第1項第1の2号)。

1.一般監査指針
 
(1)一般的な留意事項
 
 ○ 登録政治資金監査人が政治資金監査を行うに当たっての一般的な留意事項は、以下のとおりである。
・ 登録政治資金監査人は、政治資金制度を十分に理解するとともに、実務経験等から得られる知識の蓄積に努めること。
・ 登録政治資金監査人は、公正かつ誠実に職責を果たすとともに、政治資金監査の対象となる国会議員関係政治団体との間に密接な身分関係を有してはならないこと。
・ 登録政治資金監査人は、予断や予見を持つことなく職業的専門家として政治資金監査を行わなければならないこと。
・ 登録政治資金監査人は、正当な理由がなく、政治資金監査の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないこと(法第19条の28第1項)。
・ 登録政治資金監査人は、使用人等に対して、その職務の遂行上適切な指示、指導及び監督を行わなければならないこと。
 
(2)調査方法
 
○ 政治資金監査の調査方法については、会計帳簿等から一定数を抽出するのではなく、全数を調査しなければならないこと。したがって、会計帳簿と領収書等との突合については、会計帳簿とすべての領収書等とを突合させることが必要であること。
 
○ 政治資金監査は、原則として、国会議員関係政治団体の事務所で行わなければならないこと。
 
○ 政治資金監査においては、会計帳簿等の関係書類については、その現物を確認しなければならないこと。したがって、領収書等についても、領収書等の写しではなく、領収書等の現物を確認しなければならないこと。
 
(3)政治資金監査契約の締結
 
 ○ 円滑に政治資金監査を行うため、書面により政治資金監査契約を締結すること。
 
 ○ 政治資金監査契約の締結の時期は、政治資金監査対象年の開始前又は年の途中であっても差し支えないものであること。
 
○ 政治資金監査契約の締結に当たっては、「政治資金監査実施要領」の「政治資金監査契約の締結に当たっての留意事項」を参考にすること。
 
(4)政治資金監査の事前準備
 
 ○ 現場での政治資金監査に先立って準備が必要な事項は、以下のとおりである。
・ 書面監査及び会計責任者等に対するヒアリングを実施する日時、場所、期間及び双方の体制(人数等)について、国会議員関係政治団体と合意しておくこと。
・ 政治資金監査に使用人等を使用する場合は、使用人等に対して政治資金監査の方法や、使用人等にも秘密保持義務が課せられていることを十分に理解させること。
 
 ○ 円滑に政治資金監査を行うため、国会議員関係政治団体に対し、以下の事項を要請すること。
  ・ 会計帳簿や領収書等を複数の事務所において管理している場合には、書面監査を行う事務所に集約すること。
  ・ 領収書等を支出項目別及び年月日順に整理するなど、政治資金監査を受ける体制を整備すること。
 
○ 円滑な政治資金監査を行う上で必要がある場合には、政治資金監査対象年の開始前又は年の途中において、会計帳簿の記載や領収書等の保存等の会計事務について、必要な助言等を行っても差し支えないものであること。
2.個別監査指針
 
(1)法第19条の13第2項第1号に掲げる事項
 
一 会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書が保存されていること。
 


 
○ 保存対象となる会計帳簿等の関係書類について、これらの保存対象書類の一覧表の作成を会計責任者に求め、一覧表と保存対象書類の現物とを照合すること。
 
○ なお、保存されているかどうかの確認を行う対象となる会計帳簿等の関係書類は、政治資金監査対象年に係る会計帳簿等の関係書類であり、政治資金監査対象年の過去3年に係る会計帳簿等の関係書類ではないことに留意すること。
 
(2)法第19条の13第2項第2号に掲げる事項
 
二 会計帳簿には当該国会議員関係政治団体に係るその年における支出の状況が記載されており、かつ、当該国会議員関係政治団体の会計責任者が当該会計帳簿を備えていること。
 


 
○ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これにすべての支出並びに支出を受けた者の氏名及び住所並びにその支出の目的、金額及び年月日を記載しなければならないこととされている(法第9条第1項)。
 
○ 会計帳簿とすべての領収書等とを突合し、領収書等の必要記載事項(支出の目的、金額及び年月日)と会計帳簿の記載事項とが整合的であるかどうかを確認するとともに、会計帳簿に必要記載事項が記載されているかどうかを確認すること。
 
○ 領収書等の徴収漏れ又は亡失により、領収書等がなく、また、領収書等を徴し難かった支出の明細書にも記載されない支出については、これらの支出の一覧表の提出を会計責任者に求めること。
 
○ 人件費については、領収書等又は振込明細書及び振込明細書に係る支出目的書により、支出の状況を確認すること。また、これらの書類で支出の状況が確認できない場合には、賃金台帳、源泉徴収簿等により、支出の状況を確認すること。
 
○ 領収書等の確認に当たっては、「政治資金監査実施要領」の「領収書等の確認に当たっての留意事項」を参考にすること。
 
○ 会計帳簿に計算誤りがないかどうかを検算して確認すること。
 
○ 会計帳簿が、当該国会議員関係政治団体の会計責任者の管理の下におかれているかどうかを確認すること。
 
(3)法第19条の13第2項第3号に掲げる事項
 
三 第十二条第一項又は第十七条第一項の報告書は、会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書に基づいて支出の状況が表示されていること。
 


 
○ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、すべての支出について、その総額及び支出項目別の金額並びに人件費以外の経費の支出(1件当たりの金額が1万円を超えるものに限る。)について、その支出を受けた者の氏名及び住所並びに当該支出の目的、金額及び年月日を記載した収支報告書を提出しなければならないこととされている(法第12条第1項・第17条第1項・第19条の10)。
 
○ 領収書等及び領収書等を徴し難かった支出の明細書等との突合による確認を行った会計帳簿から、収支報告書に記載すべき事項(人件費以外の経費の支出(1件当たりの金額が1万円を超えるもの))が漏れなく転記されているかどうかを確認すること。
 
○ 収支報告書に必要記載事項が記載されているかどうかを確認すること。
 
○ 収支報告書に計算誤りがないかどうかを検算して確認すること。
 
(4)法第19条の13第2項第4号に掲げる事項
 
四 領収書等を徴し難かつた支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること。
 


 
○ 国会議員関係政治団体の会計責任者は、当該国会議員関係政治団体が行った支出のうち領収書等を徴し難い事情があったものについては、その旨並びに当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書等を徴し難かった支出の明細書(振込明細書があるときにあっては、当該支出の目的を記載した書面)を作成しなければならないこととされている(法第19条の11第1項)。
 
○ 領収書等を徴し難かった支出の明細書等と会計帳簿とを突合し、記載不備がないかどうかを確認すること。なお、一度発行された領収書等の亡失は、領収書等を徴し難い事情には含まれないことに留意すること。
 
○ 領収書等を徴し難かった支出の明細書等に必要記載事項が記載されているかどうかを確認すること。
 
(5)会計責任者等に対するヒアリング
 
○ 法第19条の13第2項各号に掲げられた事項についての書類の確認(以下「書面監査」という。)を行ったあとに、以下に掲げる事項について、「政治資金監査実施要領」の「会計責任者等に対するヒアリングに当たっての留意事項」により、会計責任者等に対しヒアリングを行うこと。
 ・ 会計処理方法
 ・ 支出項目の区分の分類
 ・ 領収書等の亡失等により、書面監査では支出の状況が確認できなかったもの
 ・ 収支報告の適正を確保するため、書面監査に加えて、支出の状況の詳細を確認する必要があるもの
 
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングは、原則として、会計責任者本人に対し行わなければならないが、会計責任者が対応することができない特段の理由がある場合には、会計責任者の職務代行者に対し行っても差し支えないものであること。なお、会計責任者の職務を補佐する者が、会計責任者等に対するヒアリングに同席し、登録政治資金監査人からの質問に回答することは差し支えないものであること。
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングについては、必ず登録政治資金監査人が行わなければならず、使用人等のみで行ってはならないこと。
 
 
Ⅴ.政治資金監査報告書
 
○ 登録政治資金監査人は、政治資金監査を行ったときは、政治資金監査報告書を作成しなければならない(法第19条の13第3項)。
 
1.
政治資金監査報告書の記載事項

 

 
○ 政治資金監査報告書の記載事項は、以下のとおり規定されている(規則第○条)。
 ・ 表題(「政治資金監査報告書」)
 ・ 日付
 ・ 宛先
 ・ 登録政治資金監査人の氏名、登録番号及び研修の修了日
 ・ 監査の概要
 ・ 監査の結果
 ・ 業務制限
 
2.
政治資金監査報告書作成に当たっての留意事項 

 
○ 政治資金監査報告書は、国会議員関係政治団体の会計責任者が都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に収支報告書を提出するときに、併せて提出されるものであること(法第19条の14)。
 
○ 都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出された政治資金監査報告書は、これらを受理した総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会において、当該政治資金監査報告書に係る収支報告書の要旨が公表された日から3年を経過する日まで保存されるとともに、何人も、この期間、政治資金監査報告書の閲覧又は写しの交付を請求することができるものであること(法第20条の2第1項・第2項)。
 
○ 政治資金監査報告書の日付は、登録政治資金監査人の責任の範囲に関わる重要事項であり、登録政治資金監査人が自らの責任において政治資金監査が終了したと判断したときの日付とすべきであり、通常の場合には、書面監査及び会計責任者等に対するヒアリングの終了した日となること。
 
○ 政治資金監査報告書の宛先は、政治資金監査を受けた国会議員関係政治団体の代表者宛とすること。


 
○ 政治資金監査報告書の監査の概要は、以下に掲げる事項を記載すること。
・ 監査の根拠規定
・ 監査の対象書類と対象期間
・ 実施した基準
・ 責任の所在と範囲
 
○ 監査の根拠規定については、当該政治資金監査が「法第19条の13第1項の規定に基づく」監査である旨を記載すること。
 
○ 監査の対象書類については、監査の対象となった収支報告書等の対象書類を記載すること。また、対象期間については、監査の対象となった収支報告書等に係る会計の開始日と終了日を記載すること。
 
○ 実施した基準については、「政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)」に基づき、政治資金監査を実施した旨を記載すること。
 
○ 責任の所在と範囲については、国会議員関係政治団体の会計責任者と登録政治資金監査人との関係や役割分担を明確にするため、政治資金規正法によりそれぞれが負う責任の範囲を記載すること。
 
○ 政治資金監査報告書の監査の結果は、政治資金監査マニュアルに基づき書面監査及び会計責任者等に対するヒアリングを実施した結果を記載すること。
 
○ 政治資金監査報告書の業務制限は、登録政治資金監査人が法第19条の13第5項及び規則第○条に規定する一定の関係を国会議員関係政治団体と有していないことを記載するものであること。また、政治資金監査の業務を補助した使用人等についても、同様の関係を有しない場合には、その旨を記載することが望ましいものであること。
 
○ このほか、政治資金監査報告書の作成に当たっては、「政治資金監査実施要領」の「政治資金監査報告書記載要領」によること。

 

 

政治資金監査実施要領(現場対応マニュアル)
~領収書等の確認に当たっての留意事項~
 
1.領収書等の記載事項の確認
 
○ 政治団体の会計責任者等は、政治団体のすべての支出について、当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書その他の支出を証すべき書面(以下「領収書等」という。)を徴さなければならない(法第11条第1項)。したがって、政治資金規正法上、領収書等には、支出の「目的」、「金額」及び「年月日」の3事項が記載されていることが必要であるので、領収書等にこれらの事項が記載されているか確認すること。
 
○ 一般的な領収書等において、「目的」とは「但し、○○代として」など何に支出されたかが分かるような記載をいい、通常、摘要といわれるものである。また、「金額」とは当該支出の金額を、「年月日」とは当該支出の日付をいうものである。
 
○ 領収書等の3事項に欠ける領収書等があった場合には、その旨を指摘するとともに、領収書等の発行者に対し記載の追加や再発行を要請するなど、3事項を具備した領収書等を備えるよう求めること。
 
○ なお、金融機関から交付される振込明細書は、金融機関が政治団体から委任を受けて一定金額を受け取ったことを証する書面にすぎず、また、領収書等の3事項のうち、一般的に「支出の目的」が記載されていないことから、支出を受けた者からの領収書等には該当しない。
 
2.領収書等のあて名等の確認
 
(1)あて名の確認
○ 政治資金規正法上、領収書等のあて名は記載事項とされていないが、収支報告書と併せて写しが提出される1件あたりの金額が1万円超の支出(人件費に係るものを除く。)に係る領収書等(以下「高額領収書等」という。)については、あて名に当該国会議員関係政治団体の名称が記載されているか確認すること。
 
○ あて名のない領収書等及びあて名が「上様」の領収書等については、当該国会議員関係政治団体に対して発行されたものとして取り扱うことができるものであるが、今後、当該国会議員関係政治団体の名称を発行者において記載してもらうよう助言すること。
資料2

 
○ 領収書等のあて名が、国会議員関係政治団体の正式名称ではなく、「○○事務所」のように国会議員の氏名を用いたものについては、当該国会議員関係政治団体に対して発行されたものとして取り扱うことができるものであること。
 
○ 高額領収書等のあて名に当該国会議員関係政治団体に対して発行されたことが推認されない名称が記載されている場合には、会計責任者等に対するヒアリングにおいて、その事情を確認すること。
 
○ 高額領収書等以外の領収書等についても、あて名に当該国会議員関係政治団体に対して発行されたことが推認されない名称が記載されているものがあった場合には、その旨を指摘すること。
 
○ なお、以下に掲げるものについては、あて名に国会議員関係政治団体の正式名称と異なる名称が記載されていても、やむを得ないものである。
 ・自動車関連諸費の支出(政党以外の政治団体は法人格がなく、自動車の所有者になれない。)
 ・携帯電話等について個人が契約者となっているものの支出
 
(2)訂正等の確認
○ 高額領収書等のうちに以下のような領収書等がある場合には、当該領収書等が真正なものであることを会計責任者等に確認すること。
 (例)
 ・ 明らかに記載が訂正又は消去された痕跡のある領収書等がある場合
 ・ 同一振出人で、数種類の様式の領収書等がある場合
 ・ 一般の大法人が発行する領収書等で、市販されている領収書等を使用している場合
 ・ 住所の記載が曖昧(番地まで記載されていないもの等)である場合

 

政治資金監査実施要領(現場対応マニュアル)
~会計責任者等に対するヒアリングに当たっての留意事項~
 
1.会計責任者等に対するヒアリングの意義・目的
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングは、職業的専門家である登録政治資金監査人が会計責任者本人に対しヒアリングを行うことにより、領収書等の亡失等により書面監査では政治団体の支出の状況が確認できなかったものについて、支出の実体を確認するとともに、書面監査で支出の状況を確認した政治団体の支出のうち一定の支出について適法性等を確認し、さらなる収支報告の適正の確保を図るものである。
 
○ 併せて、政治団体の会計処理方法や会計帳簿の支出項目の区分の分類方法等を確認することにより、政治団体の会計処理の適正化も期待できるものである。
 
2.ヒアリング事項
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングにおいては、以下に掲げる事項について、ヒアリングを行うものとする。
 ・ 会計処理方法
 ・ 支出項目の区分の分類
 ・ 書面監査では支出の状況が確認できなかったもの
 ・ 書面監査に加えて、支出の状況の詳細を確認する必要があるもの
 
○ 書面監査では支出の状況が確認できなかったものには、次のものが該当する。
 ・ 領収書等を亡失したもの
 ・ 領収書等又は振込明細書及び振込明細書に係る支出目的書により支出の状況が確認できない人件費で、賃金台帳、源泉徴収簿等の人件費を確認できる書類の存在しないもの
 ・ 高額領収書等のあて名に当該国会議員関係政治団体に対して発行されたことが推認されない名称が記載されているもの
 ・ 「政治資金監査実施要領」の「領収書等を徴し難い事情の具体例」以外の事由で領収書等を徴し難かった支出の明細書に記載しているもの
 
 
資料3

○ 書面監査に加えて、支出の状況の詳細を確認する必要があるものは、次のとおりである。なお、書面監査において発見した関係法令上の問題点等、その他の事項のヒアリングを妨げないものである。
 ・ 政治資金監査を行った現場の事務所が、当該政治団体の活動以外の活動にも使用されていると認められる場合における経常経費(光熱水費、家賃等)
 ・ 他の政治団体に対する支出
 ・ 花輪、供花、香典、祝儀その他これらに類する支出
 
3.ヒアリングの実施方法
 
○ ヒアリングでは、まず、政治団体の会計処理方法についてヒアリングを行い、当該政治団体の会計処理の現状について把握する。
 
○ 政治団体の会計処理方法については、以下の事項をヒアリングで確認すること。
・ 政治団体の支出手続(支出伺い・決裁・支払い方法等)について聴取し、会計責任者が会計処理を管理しているかどうか。
 ・ 会計帳簿への記帳については、支出の都度行っているのか、ある程度の期間ごとに行っているのか(支出の都度、会計帳簿へ記載することが望ましい。)。
 ・ 会計処理に関してどのような書類を作成しているのか。
 ・ 会計帳簿や領収書等について、どのように保管しているのか。
 ・ 会計責任者の交代があった場合、どのように事務の引継ぎを行っているのか。
 ・ 書面監査において、収支報告書の記載不備、計算誤り等を指摘したものについて、適正に訂正されたか。
 
○ 政治団体の会計処理方法についてのヒアリングの結果、会計処理を改善できるものがあった場合には、必要に応じて、会計責任者等に対し助言等を行うものとする。
 
○ 会計帳簿の支出項目の区分の分類については、省令で定める分類基準に照らし、支出項目の区分の分類に誤りがないことの確認を会計責任者等に求める。
 
○ 領収書等の亡失により支出の状況の確認ができないものについては、領収書等亡失一覧表の提出を求め、その事情を会計責任者等に確認する。
 
○ 領収書等又は振込明細書及び振込明細書に係る支出目的書により支出の状況が確認できない人件費で、賃金台帳、源泉徴収簿等の人件費を確認できる書類の存在しないものについては、その事情を聴取し、人件費が支出されたことの確認を会計責任者等に求める。
 
○ 高額領収書等のあて名に当該国会議員関係政治団体に対して発行されたことが推認されない名称が記載されているものについては、これらの領収書等が当該国会議員関係政治団体あてに発行された領収書等であることの確認を会計責任者等に求める。
 
○ 「政治資金監査実施要領」の「領収書等を徴し難い事情の具体例」以外の事由で領収書等を徴し難い支出の明細書に記載しているものについては、その事情を会計責任者等に確認する。
 
○ 政治資金監査を行った現場の事務所が、当該政治団体の活動以外の活動にも使用されていると認められる場合における経常経費について、当該政治団体の活動に係る経常経費とそれ以外の経常経費とをどのようにあん分しているかを会計責任者等に確認する。
 
○ 他の政治団体に対する支出については、当該支出については支出を受けた政治団体において適切な会計処理が行われていることを会計責任者等に確認する。
 
○ 花輪、供花、香典、祝儀その他これらに類する支出については、これらの支出に公職選挙法に抵触する支出が含まれていないことの確認を会計責任者等に求める。
 
4.その他の留意事項
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングは、原則として、会計責任者本人に対し行わなければならないが、会計責任者が対応することができない特段の理由がある場合には、会計責任者の職務代行者に対し行っても差し支えない。
 
○ なお、会計責任者の職務を補佐する者が、会計責任者等に対するヒアリングに同席し、
登録政治資金監査人からの質問に回答することは差し支えないものである。
 
○ 会計責任者等に対するヒアリングについては、必ず登録政治資金監査人が行わなければならず、使用人等のみで行ってはならない。

 

 
会計帳簿の記載要領について
 
 
1.支出簿の記載
 
○ 支出簿には、当該政治団体のすべての支出及び当該支出に係る一定の事項を記載しなければならない。
 
○ 「支出」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、法第8条の3各号に掲げる方法による運用のためにする金銭等の供与又は交付以外のものをいう(法第4条第5項)。
 
2.支出項目の区分の意義
 
○ 政治資金規正法は、政治活動の公明を確保するため、政治資金の収支を公開し、政治資金の収支の状況を国民の前に明らかにすることを目的とするものであって、それに対する是非の判断は国民に委ねられている。
 
○ このような法の理念からすれば、収支報告書や会計帳簿における支出項目の区分は、国民に対し政治資金の支出の状況を明らかにする際に、国民の判断に資する観点から設けられているものと解される。
 
○ 今回の政治資金規正法の改正における収支報告書の記載基準の引下げ(1件5万円以上から1万円超へ引下げ)等や少額領収書等の写しの開示制度の創設により、国会議員関係政治団体は、分類された各支出項目の支出の明細について、今まで以上に、経常経費(人件費を除く。)と政治活動費の区別なく、国民の前に明らかにされる状況となっている。
 
3.支出項目の区分の分類
 
○ 支出については、人件費、光熱水費、備品・消耗品費、事務所費、組織活動費、選挙関係費、機関誌紙の発行その他の事業費、調査研究費、寄附・交付金、その他の経費の10項目に分類し、それぞれ支出を受けた者の氏名及び住所(団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに支出の目的、金額及び年月日を記載する。
 
 
参考資料

資料4

○ 政治団体の支出には、政治団体が団体として存続していくために恒常的に必要な経費と政治上の主義、施策の推進、支持、反対又は公職の候補者の推薦、支持、反対等の政治活動を行っていくための活動に要する経費とがあるが、前者を経常経費(人件費、光熱水費、備品・消耗品費及び事務所費)とし、後者を政治活動費(組織活動費、選挙関係費、機関誌紙の発行その他の事業費、調査研究費、寄附・交付金及びその他の経費)として分類することとされている。
 
○ 支出項目の区分の分類に当たっては、当該支出がどのような目的で行われたかに則して分類するものであり、下記の例のように、支出により得た物品やサービスが外形的に同じ場合であったとしても、その物品やサービスがどのような目的で必要であったかにより分類される項目は異なるものである。
  したがって、支出項目の区分の分類に当たっては、政治団体の会計責任者等が、どのような目的で支出をしたのかを踏まえて、適切に分類することが求められるものである。
 (例)
 ・ 事務所の維持に必要な活動のために支出したタクシー代 事務所費
 ・ 政治団体の組織活動のために支出したタクシー代 組織活動費

 

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